さぼりがち。
備忘録的に。

オレたちバブル入行組 (文春文庫)

オレたちバブル入行組 (文春文庫)

オレたち花のバブル組 (文春文庫)

オレたち花のバブル組 (文春文庫)

やはり、人気ドラマの原作だけあって面白い。
 
海賊とよばれた男 上

海賊とよばれた男 上

海賊とよばれた男 下

海賊とよばれた男 下

本屋大賞作品。出光興産の創業者をモデルにした主人公が、昭和の激動の時代を石油とともに生き抜いた話。
石油がいかに国にとっての血であり、いかにそれに翻弄されてきたかが学べる。

備忘録的に。

ゼーガペイン 忘却の女王 (朝日ノベルズ)

ゼーガペイン 忘却の女王 (朝日ノベルズ)

樹海人魚 (ガガガ文庫)

樹海人魚 (ガガガ文庫)

MM9-destruction-

MM9-destruction-

<粗筋>
 地震や台風と同じように怪獣災害が存在する現代日本スカイツリーを襲った怪獣を撃退した二日後、一騎と亜紀子、そしてヒメはある神社で一人の巫女と対面する。
 その頃、地球侵略を狙う宇宙人たちの新たな企みが進んでいた。
<感想>
 怪獣SF第三作目。一作目で怪獣と戦う公務員たちを、二作目では怪獣にはつきものの光の巨人を、そしてこの第三作目では、もうまさに怪獣大決戦という総仕上げ。科学的、神話的な検討を加えながら、読み物として最後まで手に汗握る展開。
 主人公の一騎には、色々とやきもきさせられて、腹立たしいところもあるのだけれど、まあ、それだからこそ最後が効くのだろう。一応、最終回っぽい終わり方だけど、あっさりとしているし、また次作があれば楽しみにしたい。

The Book jojo's bizarre adventure 4th another day (JUMP j BOOKS)

The Book jojo's bizarre adventure 4th another day (JUMP j BOOKS)

<粗筋>
 杜王町に住む蓮見琢馬には、子供の頃から抜群の記憶力があった。一度見聞きしたものは、決して忘れることなく、いつでも思い出せる。何度も追体験をすることも可能だった。
 それらの記憶は自分にしか見えない『本』に記されていた。
<感想>
 JOJO第四部のアナザーストーリー。四部のネタを細かく入れながら、独特のストーリーを展開している。記憶を綴った『本』の持ち主と、億泰や仗助たちとのバトルはなかなか熱い。ちょっと後味の悪いウェットな話になっているのは、JOJOらしくないかも。
 本編でも謎のままだった、子供の仗助を助けた男についてこだわっている。やっぱり、あれコミック読むと誰でも気になるよねえ。ちょっとこだわり過ぎた感はある。あと、漢字で書くべきところをやけにひらがなで開いているのは、気になるかなあ。
 でも、作者オリジナルのスタンドは、いかにも小説向けで総じて面白い。

神々自身 (ハヤカワ文庫SF)

神々自身 (ハヤカワ文庫SF)

<粗筋>
 西暦2070年。並行宇宙より、タングステンとの交換によりもたらされたプルトニウム168は無公害、低コストで無尽蔵のエネルギーを生み出した。
 二つの宇宙をつなぐポンプが作られる。しかし、この夢の取引には恐るべき陥穽が隠されていた。
<感想>
 たまには海外SFをと思ったのだけど、随分と時間がかかってしまった……。問題編、パラ宇宙編、解決編の三部構成。独創的なのは人類とはまったく違う生態を持つパラ宇宙のデュアたちを描いた第二部、そして月に進出した人類を描いた第三部かな。
 想像することさえ難しい世界を、頭に思い描けるように書き表すというのは本来、実に難しいことのはずなんだけど、それを自然にやり遂げているのはさすがSFの大家か。
 ただ、構成としてはこの3つが独立し過ぎていて、どうも収まりが悪い気がする。特に第二部はまるごと無くてもあまり影響がないのでは……。それでも、まるで人類と違う生態でも、やはり人類と同じようなしがらみに囚われているところは面白い。
 タイトルの『神々自身』とは、「愚昧を相手にしては、神々自身が論ずるも空し」という言葉からの引用とのことで、さもありなんというタイトルである。それにしても、友人の言い間違いから発想を得て、ひとつのSFを書き上げるという、その発想力は凄いなあ。
 正直、海外SFはいまいち性には合わないところがある。日本の現代SFの方が身近で面白く感じるかなあ。海外の現代SFの現状とかを知らないので、その辺は誤解があるのかも知れない。

アイの物語 (角川文庫)

アイの物語 (角川文庫)

<粗筋>
 人類が衰退し、マシンが君臨する未来。食料を盗んだ僕は、アイビスと名乗る美しい女性型アンドロイドに捕まる。
 なぜ、現在マシンが地球を支配しているのか、彼女は僕に6つの物語を聞かせる。そして、すべての真実が語られる7つ目の物語とは。
<感想>
 もともと独立した短編を、ひとつの物語として再構築して長編にしているため、構造的には収まりが悪い。特に前半は独立した話としてはともかく、全体的なテーマからは離れてしまっているものもある印象。
 全体としては人工知能に関する話だ。そして、この本の白眉は、描き下ろしの二編『詩音が来た日』と最終話『アイの物語』にある。ここで語られるのは、フィクションが世界を変えるかも知れないという希望と、それでも人は変わらないだろうという絶望のお話。
 老人介護様に開発されたアンドロイド・詩音は、様々な人や出来事に接し、ひとつの結論に達する。「すべてのヒトは認知症」なのだと。老人も若者も程度の差こそあれ、全員が認知症なのだと。人は論理的にも倫理的にも思考することができず、矛盾に満ちている。
 人は自分の中で作り上げたフィクションの中で生きている、と。だから、フィクションには人を変える力がある。良くも悪くも。詩音は自分とはまるで違う人を、それでも愛おしく思い、すべてを許容し、愛する。それはアンドロイドにしかできないことなのだ。
 アイビスは言う。「物語は真実よりも正しい」と。人間の真実は、間違った姿である。
 なんかうまく言えんが、希望と絶望が同時に存在し、そしてそれを選ぶのは人なのだというお話なのだ。差異を認め、許容する。馬が自分よりも速く走れても、鳥が空を飛べても、人が彼らを憎まないように、人が人を憎まない世界はあるはずなのだと。
 今現在、そんな世界はフィクションの中にしか存在しない。でも、人が間違ったフィクションの中に生きている存在であるならば、いつかはそれが実現する世界も来るかも知れない。
 自分の中でもまだうまく消化できない読後感。昨今の国内、国外問題を見るに、やはり人類はこの物語のように、ゆるやかに、あるいは突然に衰退していくしかないのかもねえ、とも思う。
 希望の物語、であるはずなんだけれど、覚えるのはむしろ絶望だ。そして、人が生み出し、人よりも正しく人たらんとするアンドロイドが地球の支配者になるのならば、それはそれで良い世の中なのかも知れない。
 だって、今の人類に希望なんてあります? いつかは良い世の中になるはずだなんて思えます? 到底、思えませんわ……。

六花の勇者 4 (スーパーダッシュ文庫)

六花の勇者 4 (スーパーダッシュ文庫)

<粗筋>
 「七人目」の脅威からいまだ逃れられぬ六花の勇者たちは、「黒の徒花」と呼ばれる凶魔の切り札の存在を知る。その秘密に迫るべくある神殿を目指す。
 一方、テグネウは人間を基にした兵器「屍兵」を作り上げる。その中にはアドレットの故郷の人たちも居た。
<感想>
 ファンタジーバトルを中心にしながらも、六人しか選ばれないはずなのに七人集まってしまった勇者たちというミステリ要素もふんだんなシリーズの最新作。いまだ七人目の正体は分からず、常に仲間の裏切りを気にしながら敵と戦わねばならないという緊張感がいいですねえ。
 ひとつ謎が解けると、またひとつ新たな謎が生まれるという展開の中で、今回のラストはまた爆弾級。続きも楽しみなのだけれど、全部でどのくらいの冊数になるのだろう。『戦う司書』シリーズと同じと考えると10冊? すると、もう中間に近いのかしらん。
 『戦う司書』みたいにアニメ化してくれると嬉しいけど、うーん、難しいかなあ。どっちにしろ、途中で切る訳にもいかんから、やっぱりシリーズ完結に合わせてだろうなあ。
 以上、個人的な願望。