■
- 作者: 誉田哲也
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2010/02/10
- メディア: 文庫
- 購入: 6人 クリック: 80回
- この商品を含むブログ (115件) を見る
剣道に全てを賭けている磯山は、地方の小さな大会で無名の選手に破れてしまう。彼女と再戦すべく進んだ高校で出会った、その少女・西荻は磯山とは相容れないお気楽な性格だった。
<感想>
勧められて読んだのだけれど、いやいや面白かった。なんと言ってもツンケンした磯山香織と、お気楽な西荻早苗のコンビが楽しい。楽しいと言っても、最初は反目、というか香織が一方的に敵視しているのだけれど。剣道をやる意味に悩みながら、徐々に心を開いていく香織がいじらしくも、可愛らしい。
文章も上手いなあ、と思いながら読んでいた。短い比喩で的確に登場人物の描写がされている感じ。剣道自身は殆ど詳しくないので、試合描写の具体性までは分からないのだけれど、その辺りはあまり気にせず、香織と早苗、ふたりの友情を楽しんだのであった。
最後、ああいう終わり方をして、果たして次にどう続くのか。また近いうちに続編も読んでみよう。
あと、今回初めて電子書籍で読んでみた。
最初は慣れなくて、なんか本を読んでいる感じがしなかったけれど、すぐに違和感は少なくなったかな。
ただ、完全になくなる訳ではなくて、質感的に、これだけ読んだ、残りがこのくらいというのが分からないので、なんか物足りない。
あと、前に戻ってシーンを確認する、というにはとても不便。
紙の本よりも安いならば買ってもいいかな、という感想ですね。