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- 作者: 中路啓太
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2012/02/24
- メディア: 単行本
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祖父に毛利元就、父は吉川元春、叔父に小早川隆景と、名将たちの血筋に生まれた吉川広家。文禄・慶長の役で勇名を馳せ、隆景とともに毛利家百二十万石を支えている。しかし、幼少より何かとトラブルをおこし、家中からは「うつけ」と呼ばれていた。
<感想>
元就や元春、隆景に比べるとその一つ下の代の広家や輝元については、いまいち知識がないのだけれど、秀吉亡き後、天下の趨勢を見極め、毛利家を残すことに尽力した広家の活躍ぶりはなかなか面白いのであった。見所は、最後の関が原の合戦。いかに西軍に居る広家が「戦わないか」に苦心する様が面白い。
ただ全体的には文章が硬く感じて、広家他主要人物では無い人たちが表面上のみの描写しかされていないようには思う。
また、出来事を色々と書きすぎている感もあるけれど、自分の知らない面を描いてくれる歴史物は、これまた面白いものである。