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- 作者: 京極夏彦
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2012/03/19
- メディア: 単行本
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平田謙三は居るはずのない妹の記憶に悩まされる。「青行燈」ほか、妖怪シリーズの登場人物たちの側面を描く全10編。
<感想>
スピンオフみたいなものとは言え、久しぶりの妖怪シリーズですよ。次回作の『鵺の碑』に繋がると思われる「青行燈」「墓の火」「蛇帯」も収められていて、否が応にも期待が高まるのです。
お話自体は悪く言えば、どれも中途半端というか。特に先に挙げた三編の意味が分かるのは、『鵺の碑』が出た後のことでしょう。いったい、何年後だ……。全体的に家族を巡る話が多い。久々の文体を味わいました。
ただ、このシリーズも最近の2作(と言っても果たして何年前だ)『陰摩羅鬼の瑕』『邪魅の雫』が、どうも期待外れ気味だったので、あまり過度な期待はしないことにはしておく。