月見月理解の探偵殺人 2 (GA文庫)

月見月理解の探偵殺人 2 (GA文庫)

<粗筋>
「わたしの共犯者になってもらえませんか」
 都筑初の前に現れた少女、星霧交喙。彼女は、姉の花鶏が自分の友人や初の父親の仇だと言う。
 捕まえても殺しても甦る<ドッペルゲンガー>花鶏を追う、初、交喙そして理解や彼らの先輩・京は、洗脳心理学者・上坂教授の作ったシェルター<ノアズ・アーク>に閉じ込められてしまう。
 他に居合わせた4人の男女と共に、彼らは「監禁脱出ゲーム」に挑むが、冷徹なルールの前に第一の犠牲者が……。
<感想>
 脱出ゲームのルールは結構複雑で、何度も読み直さないと分かりにくいところはあるものの、よく考えられているものだと感心する。「乗り移り」を前提とする推理という点では西澤保彦なんかを思い出した。
 理解や交喙のキャラも良い。確かに常識外な人たちでインパクト重視なラノベならではの登場人物ではあるのだけれど、単なる変人ではなく、その根底にはちゃんと「人間らしさ」を描いている。作者の力量は大したものだと思う。
 「真実を追求するとは」というテーマにも取り組むなど、読み応えあり。
 全5巻で完結しているようなので、買い揃えるのも難しくなさそう。