六花の勇者 (スーパーダッシュ文庫)

六花の勇者 (スーパーダッシュ文庫)

<粗筋>
 世界を滅ぼす魔神復活の時、六人の勇者が現れる。自称・世界最強のアドレットは、そんな六人の一人に選ばれた。しかし集合場所には、なぜか七人の勇者が。誰か一人が偽者なのだ。戸惑う彼らを突如、霧が包む。出れず、入れずの結界の中互いの疑心暗鬼が進む。
<感想>
 名作ファンタジー戦う司書』シリーズの作者の新作。魔神と勇者というお決まりの導入から、身内の敵探しというミステリー風の展開へ。密室もあり、最後の数ページまで謎は解けない。そして、犯人判明の後にはさらに驚愕の展開が……というところで次巻に続き、これはもう次も楽しみで仕方がない。
 主人公のアドレットは何でもありの戦い方で卑怯な手も辞さないけれど、一本芯の通った憎めない少年で、とても魅力的。今はまだつれないヒロインのフレミーとの恋の行方も気になるところ。
 『戦う司書』でも素晴らしかった能力バトルも健在で、楽しみは尽きない。
 昨今のラノベはラブコメ全盛だけれど、ミステリーやファンタジー、SFといったジャンルへの青少年の入り口的な役割も、もっと果たして欲しいなあと思うのですよ。いわゆるジュブナイル小説として。