くるすの残光 天草忍法伝

くるすの残光 天草忍法伝

【粗筋】
寛永十九(一六四二)年の春、天下泰平のお江戸は活気あふれる下町の貧乏長屋に、ひとりの少年が現われた。寅太郎という名の少年は植木職人の仕事を手伝いひっそりと暮らしはじめるが、彼は大きな使命を抱えた島原の乱の生き残りだった。
それは、主・天草四郎の復活と理想の国造りを成し遂げること。そのためには、徳川幕府を裏で操る怪僧・天海が持ち去った七つの“聖遺物”を奪い返さなければならない。
だが、幕府は闇の精鋭“閻羅衆”を率いて、大がかりな切支丹狩りを進めていた―。異能の忍びたちの秘術を尽くした死闘の行方は? 不思議な力を放つ聖遺物を手にする者は?
【感想】
『僕僕先生』を代表にして中国歴史もので知られる作者の日本時代劇。と言っても、忍術大合戦的なファンジー色の強い昨品。
話としては壮大な設定の序盤という感じで、今後に予断を許しません。
異能の力を持つ者がたくさん出てくる中では、寅太郎の養親であり、一般人代表の庄吉・たま夫婦がその優しさ故にどのような役割を果たして行くのかが鍵のようです。