ハーモニー

ハーモニー (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)

ハーモニー (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)

体内のナノマシンに、人類の「健康」が「生府」によって、管理される社会。誰もが穏やかに暮らす社会で、ある日、世界同時多発自殺が起こる。その件を調査する霧慧トァンは、事件の背後にかつて死んだはずのクラスメイトの陰を見る。
前作の『虐殺器官』に比べると、暴力的な描写は少なく、静かに事件は進行していきます。しかし、それ故に描かれるディストピアの「恐怖」はより増しているように思います。
最後に訪れる人類の結末は、個人的には理想的なものかも知れない。
読みながら、色々と考えることの多い作品でした。