気がつけば、前の更新から一月が経っていました。
相変わらず、本の紹介以外は何の話題もないブログです。
 

虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)

虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)

作者のデビュー作にして2007年の国内SFベスト1位に選ばれた作品。
最近、SF分が不足していたので、読んでみた。
ジャンルとしては、近未来戦争小説。行く先々で民族衝突・大量虐殺を引き起こしている謎のアメリカ人、ジョン・ポールを追うアメリカ軍の大尉が主人公。
警句に満ちあふれた文章で、ある負い目を持ち、内省を繰り返す主人公の一人称が描かれている。
驚愕のラストに向けて、ページを捲る手は止まらない。
作者はわずか三作を遺して、34歳の若さで他界されたとのこと。解説を読むと、作者の無念さが伝わってくる気がする。