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- 作者: 仁木英之
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2012/10/26
- メディア: 単行本
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幕末の激変期、松代藩に佐久間象山という男がいた。我が強く、奇人と呼ばれながらも国防に身を捧げ、吉田松陰や勝海舟など多くの弟子を持った傑物の生涯を描く。
<感想>
恥ずかしながら、佐久間象山は名前くらいで具体的にどうしう人物かということまで知らなかったのですが、これは実に面白かった。信念を曲げず、我を通し、敵も多いが、それ以上に彼に魅了された味方も多い。偉大なる狂人、とでも呼ぶべきか。
特に面白いエピソードは、やはり最終場面の空を飛ぼうとするところですね。これまで海防に身を捧げた彼が、さらにその先を見据えて空に目を向けていた。周りからは、ついに気が触れたと言われつつも、信念を貫いたという佐久間象山の性格が現れたお話でした。
私は大垣に縁があるので、梁川星巌や小原鉄心のことは多少知っていましたが、彼らについても触れられているので、なにか親近感が。象山という人物を魅力的に描いた作品で、言うなれば愛に溢れているような。
折しも『八重の桜』で出ているらしいので、ひとまず土曜日の再放送を見てみますわ。
やや駆け足に感じる部分もあるけれど、入門として読んで良かったと思う。これを機にもう少し幕末のことも勉強したいと思う次第。