機龍警察 自爆条項  (ハヤカワ・ミステリワールド)

機龍警察 自爆条項  (ハヤカワ・ミステリワールド)

<粗筋>
 極秘に来日するイギリス高官の暗殺が、テロ組織IRFによって計画されているとの情報が入る。
 特捜部のライザにとって、IRFは自分が以前にいた組織。そして、彼女は裏切り者だった。各組織の思惑が複雑に絡み合う中、来日の日が迫る。
<感想>
 うひぃ。面白くて、ついつい最後まで読んじゃったよ。1巻が設定や登場人物の紹介に留まっていて、正直いまいちだなあと思ったのだけれど、この2巻は全然違った。ライザという登場人物を掘り下げ、元テロリストという経歴の彼女にすごく共感してしまう。
 散りばめられた話の伏線も見事で、さらに次巻以降への興味を引かせる。この分だとユーリや姿、沖津が掘り下げられていくのが楽しみだ。外注警官以外の特捜部の面々も良い。夏川や由起谷のこれからも気になる。そして、根深く巣食う<敵>の正体と、その戦いの行方も。
 2巻で一気に化けた感じ。去年のベストに挙がるのも、当然やね。今年のベストに挙がっている3巻も既に手元にあるので、これは来年になったら読もう。