ココロコネクト ヒトランダム (ファミ通文庫)

ココロコネクト ヒトランダム (ファミ通文庫)

<粗筋>
 八重樫太一、永瀬伊織ら文研部の五人に突如として起こる人格入れ替わり事件。やがて、その出来事は彼らの関係を少しずつ変化させていく。
<感想>
 アニメ放送中の『ココロコネクト』の第一巻。お話はアニメとほぼ同じなので、主に細かい心情描写などを楽しんでおりました。ちょっと描写過剰かなあと思わなくもないけれど。何はともあれ、まずは人格入れ替わりを主眼に置いたというのは割りと新鮮な気がすると改めて思う。
 ギャグやSFならばある話だけれど、それを日常の中で起こるとするのは意外に珍しいのでは。私がこの話で一番好きなのは、稲葉ん。キャラクターもだけれど、彼女は自分にトラウマが無いことに悩んでいる。そこが、すごく身近に感じる。
 過去に辛いことがあったわけでもないのに、どうして自分はこんな人間なんだろうって悩む。そうだよね、大抵の人は物語の主人公なんかじゃないから、別にドラマチックなことなんて何も起きないよね。このお話は比較的、そういう身近な心情に重点を置いている所が素敵。
 日常と非日常の物語は、今後どのような展開を迎えるのか。まあ、なんかあんまり明るくは無さそうなんだけど……。