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- 作者: 明月千里,mebae
- 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
- 発売日: 2011/06/14
- メディア: 文庫
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「探偵殺人ゲーム」の決勝戦が始まる。能力を連理に奪われてしまった理解に勝ち目はあるのか。交喙と「ドッペルゲンガー」の決着は?
<感想>
完結編。読んでいる途中から、かなりあっさりとした印象を抱く。最後まで、それは変わらず。主人公自身の問題は前巻で解決し、残るはダブルヒロインの理解と交喙の抱える問題のみ。作中の仕掛けや、理解が用いるトリックなんかは面白い。ただ、なんか全体的には淡白。
かなり分厚い本にはなっているのだけれど、それでも状況を説明するのに手一杯になっている感じを受けるせいか。1巻から、複雑なルールを用いた騙し合いゲームという難しい話と、登場人物が抱える人間らしい問題との融合がなかなか見事だっただけに、ちょっと勿体無いというラスト。
それでも、これだけの話を5巻で完結させるのは凄いと思う。月見月家についてはまだ書き足りないことがあるのではなかろうか。あと、途中で挫折しかけ、弱音を漏らす理解は可愛らしい。