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ビブリア古書堂の事件手帖 2 栞子さんと謎めく日常 (メディアワークス文庫)
- 作者: 三上延
- 出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2011/10/25
- メディア: 文庫
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無事、退院した栞子のもとで改めて働くことになった五浦。不可解な読書感想文、宅買い先での親子の秘密、そして一冊の古い漫画本。ふたりを取り巻く本にまつわる謎と秘密。
<感想>
たぶん、当初は1巻完結の企画だったと思うのだけれど、評判になったために続刊が決まったものと思われ。そして、3巻以降に続く大きな謎が登場。この2巻に関して言えば、「謎めく日常」という副題の割には、けっこう重い話が多い。
『時計じかけのオレンジ』のちょっとしたイタズラとすれ違いは可愛らしいけれど。『名言随筆 サラリーマン』では五浦の元カノが登場。栞子さんと恋のさやあてが……起こるはずもなく。これは、最後はほっとする話。問題は『UTOPIA 最後の世界大戦』で。これは、読後感悪い……。
本にまつわる歴史があり、そしてその本を持つ人にまつわる歴史がある。良いものも、悪いものも。古書にまつわるウンチクも面白いし、ミステリーとしても目新しさがあって、楽しい。雰囲気としては、初期の北村薫な感じ。栞子さんと五浦の恋物語は進みそうにもないけれど。続刊が出たら、また買おう。
たとえば、『名言随筆 サラリーマン』の著者、福田定一については何も知らなかったので、ある作家の本名だと明かされる時はとてもびっくり。
逆に『UTOPIA 最後の世界大戦』については、足塚不二雄のことはもちろん、復刻版は読んだし、鶴書房版にまつわる話も、本作に書かれている以上のことを知識として知っていて、それ故にどう扱われるのかが興味深かったり。知っていても、知らなくても、楽しめる。