ペンギン・サマー (一迅社文庫)

ペンギン・サマー (一迅社文庫)

<粗筋>
 幼馴染のあかりとともに、古い伝説「クビナシ様」を探すために白首山に登る隆司。山には謎の改造獣が跋扈し、街では世界征服を企む「赤面党」が暗躍する。そして、隆司は一匹のペンギンに出会う。
<感想>
 ペンギンというモチーフだけで勝ち。
 SFと銘打たれているものの、SFは味付けにすぎない。むしろ、謎が明らかになっていく過程はミステリー的な要素が強い。
 最後の真相を描くために、エピソードが前後して、かつ視点がその度に変わる。おまけにわざと情報を隠して話が進んでいく。これはちょっと読みにくい。
 なんとも馬鹿馬鹿しくも意外なオチは面白いと思う。読み返して、伏線を拾うのも面白い。