『鋼の錬金術師 嘆きの丘の聖なる星』

http://www.hagaren-movie.net/
 
観てきました。
とても良い映画でした。
意外な真相、意外な犯人。そして、観ている最中にちょっとひっかかったところがしっかりと伏線として機能している。まず、ミステリとして素晴らしい。さすがは真保さんの脚本。『のび太の新・魔界大冒険』でも、そのような要素を絡めていましたが、こちらでもきっちりと決めてきました。
そして、ストーリーも。舞台は大国・アメストリスとクレタに挟まれたミロスの丘。迫害され続けてきたミロス人の兄姉が独立を目指す物語。悲哀に塗れながらも、最後には希望を感じさせるエンディング。
出てくるものこそ、錬金術や賢者の石とファンタジーなのですが、そのような「強大な力」を得ようとする人間たちの欲と渇望を描くという、まさにハガレンらしい映画でした。
アクションシーンも迫力があり、『コクリコ坂』よりもジブリらしいと一部で言われるのも納得。
 
と色々と誉めましたが、不満点も。
一番は、ゲストキャラの存在感が大きすぎて、エルリック兄弟以外の既存キャラはほとんど出てこないこと。
マスタング大佐など、最終決戦の場に居ながら、戦いもせず、台詞もなく、もちろん見せ場もない。最後まで焔を出さずじまい。アームストロングは僅かに出てくるだけで、私の好きな大総統はまったく出番なし。
男キャラが魅力的な原作なのに、ちょっと残念。
 
また、作品の時系列は原作の途中のエピソードという位置づけ。折角、原作やアニメが完結後にやるのだから、完結後の話が見たかったというのも。
もっとも、それだとアルフォンスが鎧姿ではないのですが。
 
単独として見れば、とても良い映画ですが、原作ファン・キャラファンには物足りない点もあるのでは。
でも、見ても絶対に損はないと思います。