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- 作者: 伊坂幸太郎
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2010/09/23
- メディア: 単行本
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前作『グラスホッパー』から続く登場人物や設定などが登場するので、まずはこちらを必読のこと。
最初から最後まで、ほぼ新幹線の車内のみで話が進む。
アクションあり頭脳戦ありの手に汗握る展開は、最後までどうなるか予想もつかない。
ただ、ちょっとご都合主義的に終わってしまったかなあ、という僅かな不満も。
登場人物は基本的に悪人しか出てこないので、心すっきりということは少ない。
その中でも一番むかつくのは、中学生の王子。こんな賢しらな中学生がいたら嫌だなあと思うと同時に恐ろしい。
常に人よりも優位に立ち、支配することを目論む姿勢に心理的な嫌悪感を抱く。
一時期の伊坂幸太郎は新機軸を探ろうとして迷走していた気配があるけれど、ここ何作かはデビュー以来の持ち味に戻ってきている。
個人的には、そちらの方が好きなので、ぜひこの路線で。