UN?GO 因果論 (ハヤカワ文庫JA)

UN?GO 因果論 (ハヤカワ文庫JA)

UN-GO episode:0 因果論 初回限定生産版Blu-ray

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<粗筋>
 近未来、日本は戦争に負けた。I国の日本人街で起きた殺人事件の解決依頼を受ける[探偵]と少年・因果。『日本人街の殺人』[探偵]と因果の出会い、そして帰国後の別天王会での殺人事件。『因果論』の二作。
<感想>
 2011年冬に公開された劇場版アニメのノベライズ。同時期にはTVアニメも放映。アニメは昨年の作品では一番のお気に入り。狙った訳ではないけれど、ちょうど今日、最終巻と、『因果論』のBDもAmazonより到着。しばらく見る余裕は無いけど、一年後くらいに見返すのも面白いかも。
 小説の方は、少なくともTV版を観た人向けの話で、一見さんお断りは否めない。アニメでは明らかにされていなかった、[戦争]の詳細など細かい設定が綴られていて、アニメの好きな人ならば必読かと。
 放送時期にもさんざん言った気がするけど、『UN-GO』は近未来の敗戦後の日本を舞台にしながらも、実際にはちょうど震災後の不安なこの日本に通ずる雰囲気を持っている。まさに、今の時期だからこそ見ておきたい作品。
 ミステリとは謳っているものの、いわゆる論理やトリックというものではなく、SFやファンタジーに近い。この前、『華竜の宮』の感想の時にも書いたけれど、SFゃファンタジーという、いわば現実離れした舞台だからこそ書ける、人の精神や本質というものがある。
 非日常な舞台、非現実な設定だからこそ、その中で人間は輝く、とでも言えば良いのかしら。
 たまに、SFゃファンタジーなんて現実離れした物語を読んでも、なんの得にもならない的な意見を見かけることがあり、とても悲しい。