■
- 作者: アミール・D アクゼル,Amir D. Aczel,水谷淳
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2011/04/21
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 20回
- この商品を含むブログ (7件) を見る
CERN(欧州原子核研究機構)が建設した世界最大の巨大加速器LHCによって、何が解明されようとしているのかを解説した科学ノンフィクション。
<感想>
内容としては、CERNの科学者の話を交えながら、素粒子物理学や宇宙論の概要を説明し、そしてLHCによって如何に多くの、いまは理論上にすぎない仮説が、実証される可能性があるのか、を解説している。
科学ノンフィクションとしての出来栄えは、私みたいな素人にはなかなか良いと思うけど、専門家の人からしたら物足りないかも知れない。ただ、巻末に用語解説などはあるものの、ある程度用語に馴染みがないと、理解が難しいかも。
大雑把に言ってしまうと、宇宙は何でできているのか、すべての物質の最小単位はどんなものか、世の中のあらゆる現象を支配する力の正体とは。そんな究極の謎とも言える問いに、一定の答えが出るかも知れないというロマンティックなお話。
素人なりに物理学に非常にロマンを感じるのは、宇宙の構成や成り立ちという非常にマクロな問題を解き明かす鍵が、素粒子すなわち物質の最小単位の構成や成り立ちを解き明かすことなしには、解明できないという、この素晴らしく入れ子構造になっている点にある。
もちろん、微積分さえ怪しい私の頭では、もし明らかにされたとしても、さっぱり理解はできないに違いないけれど、それでも明らかにされたら良いなあ。